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エコノミークラス症候群の予防法とは?デスクワークや避難所生活にも危険が潜む!

エコノミークラス症候群とは、航空機のエコノミークラスのように「狭い空間で同じ姿勢を長時間続ける」ことで発症する症状です。飛行機の中だけで起こるとは限らず、デスクワークなどの日常生活、避難所生活などにもそのリスクが潜んでいます。日頃同じ姿勢で長時間過ごすことが多く、ふくらはぎのむくみや痛みを感じている方は、ぜひ手軽に始められるエコノミークラス症候群予防法を行いましょう。

エコノミークラス症候群とは?危険な症状って?

そもそも、エコノミークラス症候群とはどんな症状のことなのでしょうか。基本的な症状や、危険な状態について確認しましょう。

エコノミークラス症候群とは

医学的な名称は「静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)」です。食事や水分を十分に摂取しないまま長時間同じ姿勢で脚を動かさずにいると、脚(主にふくらはぎ)の静脈の血流が悪くなり、血栓(血のかたまり)ができることがあります。

脚の血流が悪くなって血栓ができることを「深部静脈血栓症」と呼びますが、この血栓がはがれて肺に運ばれ、肺動脈に詰まることで肺塞栓症を発症すると「エコノミークラス症候群となってしまうのです。

▼深部静脈血栓症が起きるイメージ

▼深部静脈血栓症でできた血栓が血流にのって肺に移動し、動脈を詰まらせ肺塞栓症を発症するイメージ

名前からどうしても飛行機のイメージが強いのですが、新幹線・長距離バス・自動車などさまざまな乗り物はもちろん、デスクワークなどの日常生活や災害時の避難所生活・車中泊などでも起こりうる病気です。

なぜ血栓が危険なの?

長時間座っていることで脚の静脈にできた血栓は、座っている時は何もなくても、立ち上がって歩き始めたタイミングで血液が流れ出し、血流にのって肺の動脈に入り込みます。これは同じ姿勢から解放された直後だけでなく、2週間後や1ヶ月後まで気づかず発症してしまうこともあるので、後述する初期症状に注意が必要です。

肺の血管をふさぐと「肺塞栓症」になります。小さな血栓が詰まると、肺に流れる血流が減ってうまく酸素を取り入れられなくなり、息切れしたり胸や背中が痛くなったりします。大きな血栓が詰まると、肺に流れる血流が著しく少なくなり、呼吸困難になったり血圧が低下して失神したりする場合もあります。

このため、処置が遅れたり適切な治療を受けられなかったりすると、最悪の場合は突然死に至ることもあり、非常に危険な病気でもあります。

こんな症状に注意!

初期症状として、下肢の静脈に血栓が詰まると「むくみ、痛み、腫れ、熱をもつ、足がしびれる、足がつる」などが現れます。普通のむくみは両脚に同じように起きるのですが、血栓による症状は血栓がある方だけに現れることが多く、左右の足の太さが変わることがあるのが特徴です。

また、これまでに感じたことのない「歩行時・階段などでの息切れ、動悸、胸や背中の痛み」などは、肺に血栓が詰まった可能性がありますので、すぐに医療機関を受診しましょう。

血液サラサラで血栓予防!2つのポイントをおさえよう

血栓予防のためには、以下の2つのポイントをおさえて日頃から血液サラサラを心がけておくと良いでしょう。

足の運動

ときどき、軽い体操やストレッチ運動をしましょう。イラストのように足の指を閉じたり開いたり、爪先を動かしたり、足首を回したりするのがおすすめです。

かかとの上げ下ろし運動をしたり、ふくらはぎを軽く揉んだりするだけでも効果があるので、長時間同じ姿勢になったときはぜひやってみてください。また、医師から指示があれば、弾性ストッキングを履いて下半身から上半身に血液を送るのもよいでしょう。

水分補給

旅行中やデスクワーク・避難所生活では、トイレの回数を減らすために水分補給を我慢して水分不足になりがちです。しかも、動いていなくても、人間の身体は1日に2リットルの水分を消費します。つまり、水分補給が不十分だと水分不足で血液がドロドロになり、血栓ができやすくなってしまうのです。

また、冬場は空気が乾燥しがちなうえ、高齢者は喉の乾きを感じにくくなるため、気づかないうちに「かくれ脱水」になっていることもあります。冬こそ、こまめな水分補給を忘れずに行いましょう。
水分補給には、点滴のみがおすすめです。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

※水分補給時はアルコールやコーヒー、紅茶、緑茶など利尿作用のあるものを避けてください。また、これらの飲料を飲んだときは、水分補給をしっかり行いましょう。

海洋深層水飲料で、さらにエコノミークラス症候群予防

日本医科大学新東京国際空港クリニックと赤穂化成株式会社は、第23回日本健康増進学会(2001)で海洋深層水飲料を飲むことでエコノミークラス症候群の予防が期待できることを発表しました。

実験では、食事中に海洋深層水飲料(硬度1000)を500ml飲み、食後2時間後の血液通過時間をMC-FANで測定し、血液のサラサラ具合を測りました。その結果、海洋深層水飲料を飲用した場合、水道水よりも血液がサラサラになることが確認されました。

上記のように、水分補給のための水選びは血栓予防にとって非常に大切です。特に、マグネシウムが血栓予防に働くことはよく知られています。こうしたデータからも、血栓予防のためにはマグネシウムを多く含む海洋深層水飲料を飲むのがおすすめです。

まとめ

近年、自然災害で車中泊や避難所生活を余儀なくされるケースが増えてきました。車中泊避難の場合、1泊でもエコノミークラス症候群を発症するリスクがあります。足を伸ばして横になるスペースやトイレを確保し、こまめに水分補給や排泄を行いましょう。

また、2020年に新たに流行した感染症にかかると、血栓ができやすくなるとも報じられています。エコノミークラス症候群を含む血栓予防のため、日頃から血液サラサラを心掛けましょう。

監修者プロフィール

野尻奈央薬剤師
野尻奈央薬剤師

大阪大学薬学部卒。調剤薬局の勤務では幅広い科目の処方を受け、薬と食品などの飲みあわせや日常生活に関する相談に対応。趣味はテニス。

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