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熱中症や冬の隠れ脱水には「点滴飲み」がポイント!効果的な飲み方をチェック

夏は大量に汗をかくことが多く、水分不足で「熱中症」を引き起こしやすいため、十分な水分補給が必要だということはよく知られています。また、冬は空気が乾燥していて「隠れ脱水」を引き起こしやすいことから、やはり水分補給を忘れてはいけません。こうした水分不足を効果的に補うには、「点滴飲み」という補給方法がおすすめです。

水は健康に良いって本当?

水を飲むことは、体にとってさまざまな良い効果をもたらします。

  • ・血液をサラサラにして、血流を良くする
  • ・血液やリンパ液となり、細胞に酸素や栄養分を届けて活性化
  • ・汗や尿の排出を促し、老廃物を溜めずにデトックス
  • ・体温を調節する
  • ・体を目覚めさせ、活動モードに
  • ・ストレスによる緊張をほぐし、適度にリラックスさせてくれる
  • ・健康や若々しさを保つアンチエイジングに

人間の体は、毎日2.5Lの水を失っています。食事から1L程度は補えますが、残り1.5Lの水分は食事以外から補給しなくてはなりません。体内の水分不足は血液をドロドロにし、血流が悪くなり、細胞に十分な酸素や栄養分が行き届かなくなったり、老廃物の排出がうまくいかなくなったりしてしまいます。十分に水を飲むことは、健康にも良い効果が期待できるのです。

また、起き抜けに冷たい水を飲むと消化器官の働きを促して活動モードにしたり、緊張している時に水を飲むとリラックスモードになれたりと、水を飲むことが身体の切り替えにもなります。ぜひ、こまめに水を飲んで健康と若々しさを保ちましょう。

水分不足を効果的に補う「点滴飲み」とは?

「点滴飲み」とは、水分を補給するとき一気に大量に飲むのではなく、少量をこまめに飲む方法のこと。水分は一度に大量摂取しても、体内に吸収されたときにしか効果がありませんので、少しずつ継続的に飲むことが大切です。

そもそも、熱中症が起きるのは当日の脱水だけが原因となるケースばかりではなく、数日前から徐々に脱水していったことが原因と考えられるケースも珍しくありません。普段からの点滴飲みで脱水を防いでおくことが、熱中症予防の重要なポイントです。

<「点滴飲み」の方法>

  • 1時間かけてコップ1杯(約200mL)を目安に、こまめに少しずつ水を飲んでいく
  • (目安はトイレが近くならない程度で、できるだけ多めに。)

また、飲む水の種類は次にご紹介するように、季節やシーンによって使い分けると良いでしょう。

点滴飲みで夏の水分不足「熱中症」を防ごう

今年は新型コロナウイルスへの対策で外出自粛していた期間が長いことから、体が暑さに慣れていない人も多く、熱中症が多発すると予想されます。特に、2019年の熱中症の発生年齢区分を見ると高齢者が約5割、子どもが約1割となっていることから、高齢者と子どもは十分に注意が必要です。

夏の水分不足は単なる水分不足ではなく、汗として塩分(ナトリウム)・マグネシウム・カルシウム・カリウムなどのミネラルも失われています。そのため、熱中症予防を目的として点滴飲みで飲む水は、ミネラル分の少ない軟水ではなく、熱中症対策飲料や麦茶など、ミネラル(イオン)を含んだ飲料を適宜摂取するのがおすすめです。

反対に、大量に汗をかいた時に軟水だけを飲むと、血液のナトリウム濃度が下がってしまいます。同時に余分な水分を尿として排出することから、汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、さらに熱中症が加速するリスクがあるのです。喉が乾いていないと感じていても、こまめにミネラル(イオン)を含んだ飲料を摂取しましょう。

※スポーツ飲料は想像している以上に糖分を多量に含んでいますので、飲みすぎると糖尿病や肥満を招く恐れもあります。スポーツ等により多量に発汗したときにはスポーツ飲料を飲んでも問題ないのですが、日常生活でやや発汗した程度のときは、熱中症対策飲料や麦茶を、と使い分けることが重要です。

身近な調味料で補水液を作ろう!

スポーツ飲料や熱中症対策飲料が自宅にないときは、身近な調味料で熱中症対策飲料を作ることもできます。

<材料>

  • ・水 1L
  • ・塩 小さじ1/2(3g)
  • ・砂糖 大さじ4と1/2弱(40g)
  • ・レモン汁 お好みで

上記の材料をよく混ぜて冷蔵庫で保存し、1日以内に飲みきりましょう。

冬の「隠れ脱水」にも点滴飲みがおすすめ

人体は呼吸や皮膚・粘膜などから水分が蒸発する「不感蒸泄」でも水分を失っています。冬は汗をかく機会が少なく喉が乾いたと感じにくいうえ、空気が乾燥しているため不感蒸泄が起こりやすい状況です。寒さからエアコンをつける家も多く、室内であっても乾燥しやすいためさらに不感蒸泄の量が増えると考えられます。

このような「隠れ脱水」を防ぐためにも、こまめに水分を補給する「点滴飲み」がおすすめです。冬は夏と比べて汗をかくための「汗腺機能」が低下しているので、水分だけでなく血液中に含まれるミネラルが一緒に排出され、ベタベタとした汗をかきます。このベタベタとした冬の汗には、夏の約2倍のミネラルが含まれているため、点滴飲みにはミネラルも補給できる海洋深層水飲料(硬水)や麦茶が良いでしょう。

こまめな「点滴飲み」で水分補給を解消しよう

水分不足を補うには、一度に大量の水分を摂取するよりもこまめに少しずつ補給した方が効果的です。夏の熱中症にも、冬の隠れ脱水にも、「点滴飲み」を意識しましょう。夏は特にミネラルが失われやすいので、点滴飲みで熱中症対策飲料や麦茶も摂取してください。

監修者プロフィール

野崎 豊
野崎 豊

ノザキクリニック院長(兵庫県加古川市)。日本小児学会専門医/認定産業医/日本体育協会公認スポーツドクター/日本東洋医学会 名誉会員/漢方専門医/臨床内科医会専門医。

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