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知ると美味しくなる塩のストーリー③:上手な塩の使い方とは?下ごしらえ編

調味料として味つけに広く使われている塩ですが、料理に塩を使うときは味つけ以外にも下ごしらえに使われることが多いです。下ごしらえは一手間足すだけで料理がぐっと美味しくなる、プロの技。塩を下ごしらえに使うと、どんないいことがあるのでしょうか。今回は、上手な塩の使い方として、下ごしらえや仕込みに塩を使う方法についてご紹介します。

下ごしらえに塩を使う理由

まずは、下ごしらえに塩を使う理由を3つ見ていきましょう。

理由①:食材の余計な水分を吸い出してくれる

塩は、食材に含まれる余分な水分を吸い出してくれる役割があります。これは塩を薄めようとする浸透圧の働きによるもので、食材に塩を振ると塩分を薄めようと食材から水分が滲み出てくるのです。すると、食材に含まれる余分な水分が抜けて身が引き締まり、味が凝縮されます。

野菜や肉でも同じように、初めに塩を振って表面に滲み出てきた水分を拭き取ってから炒めたり焼いたり煮たりすると、旨味が凝縮されるだけでなく火の通りも良くなります。

理由②:色が落ちないよう止めてくれる

塩は、ほうれん草や小松菜などの青菜、ブロッコリーなどの色落ちを防ぐ役割もあります。塩を入れないで水だけで茹でると色が褪せてしまいますが、塩を入れると鮮やかな緑が保てるのです。これは、塩のナトリウムイオンの働きで緑色を出す天然色素「クロロフィル」が安定し、緑色を保てるため。

また、りんごを切ってそのまま置いておくと切り口が茶色く変色してしまいますが、塩水につけると変色を防げます。これは塩の働きで酸化酵素の作用が抑えられるため、変色が進みにくくなるからです。

なすやきゅうりをぬか漬けにするときも、先に表面に塩をすりこんでおくとよいでしょう。そのまま漬けるとどうしても色が褪せてしまいますが、先に塩をすりこんでおくと短時間で漬かるほか、色も落ちにくくなります。これは塩の色落ち防止効果のほか、野菜の余計な水分が抜けることでぬかに漬かりやすくなることが理由です。

理由③:雑菌の繁殖を防いでくれる

塩によって余計な水分が抜けると、雑菌の繁殖を防げます。これは、雑菌といえど繁殖するためには水分が必要なためで、塩が食材の細胞に含まれる水分を吸い取ってしまうことで、雑菌が繁殖するための水分が残りにくくなるからです。このような理由から、長期保存食に塩が使われることは多いのです。

長期保存食でなくとも、魚や肉などを買ってきてすぐ食べないときは、内臓や血合いを取り除いて水分を拭き取ったのち、塩を振って冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。そのまま冷蔵庫に入れてしまうより、雑菌が繁殖しにくくなり鮮度が保たれやすくなります。

理由④:食材の臭みをとる

例えば、魚を塩焼きや煮物にする場合、火にかける前に塩を振ってしばらく置いておく「振り塩」をします。しばらく置いておくと表面にじっとりと水分が出てくるのですが、このとき魚の生臭さも一緒に出てくるため、振り塩をすると臭みがとれる役割もあります。

理由⑤:食材の雑味をとる

塩には食材の雑味となる灰汁(アク)を抜く働きもあります。塩の浸透圧によって灰汁の成分が抜けるためで、たけのこやほうれん草のアク抜きを塩で行うこともできます。

理由⑥:食材の汚れをとる

塩は汚れを吸着してくれる働きがあり、床掃除にも塩が使われるほどです。食材の汚れも塩で下処理することで、しっかり吸着して落とすことができます。

天塩を使った下ごしらえの方法

では、実際に天塩を使って下ごしらえを行う方法をご紹介します。

ゴーヤの苦み取り

天塩でゴーヤの苦みをとり、ゴーヤチップスを作る手順についてご紹介します。

  • <材料>
  • ゴーヤ 1本
  • 天塩 適宜
  • 米粉 30g
  • 油 適量
  • <手順>
  • 1.ゴーヤを縦半分に切り、中の種とワタの部分をスプーンでこそぎ落とす。
  • 2.ゴーヤを2mmの半月切りにしてボールに入れ、天塩を全体にふりかけて優しく混ぜ、10分置く。
  • 3.水で洗い流し、キッチンペーパーなどで水気を取る。
  • 4.米粉をまぶし、180度の油で約3分程度揚げる。

あさりの砂出し


天塩で海水に近い塩水を作り、あさりの砂出しをしてからお吸い物を作る手順についてご紹介します。

  • <材料>4人分
  • あさり 300g
  • 水 500mL
  • 天塩 15g
  • 水 600mL
  • 天塩 少々
  • みつば 適量

<手順>

1.水500mLに天塩15gを入れて混ぜ、あさりを重ならないように入れて3時間以上暗くしておく。
2.みつばを2cm程度の長さに切っておく。


3.1.のあさりを流水でこすり洗いし、汚れを落とす。
4.鍋に600mLの水とあさりを入れ、中火で煮立たせる。
5.煮立ったら蓋をして、あさりの殻が開くまで弱火で火を通す。
6.火を止め、天塩を少々入れて味を調えたら切っておいたみつばを散らし、完成。

イカのぬめり取り


イカのぬめりを取って皮をむきやすくし、ソテーを作る手順についてご紹介します。

  • <材料>
  • イカ 1杯
  • 天塩 ひとつかみ
  • オリーブオイル 適量
  • 天塩まろやか塩レモン 適量

<手順>
1.イカは胴の中央からキッチンばさみで切り開く。
2.足と軟骨をはがし、ワタを取り除く。


3.ボールの中でイカ全体に天塩をまぶして表面のぬめりを取り、皮をむく。


4.3.を水で洗い、胴は幅2cm程度に切り、長いものはさらにその半分にしてキッチンペーパーで水気を拭き取っておく。
5.フライパンにオリーブオイルを入れ、4.を軽く炒めたら、塩レモンを添えて完成。

エビの臭い取り


エビの臭いを天塩で取って、ボイルドシュリンプを作る手順についてご紹介します。

  • <材料>
  • エビ 10匹程度
  • 天塩 ひとつかみ
  • 水 400mL
  • 天塩 塩パプリカ 適量

<手順>
1.エビのしっぽ部分を残し、殻と背ワタを取る。


2.1.に天塩を加え、優しくもみ洗いする。


3.2.を水で洗う。
4.400mLの水を火にかけ、煮立ったらエビを入れ、赤く色が変わったら取り出す。
5.水気をよく切ってお皿に盛り、塩パプリカを添えたら完成。

鯖の臭み取り


鯖の生臭さを感じない、美味しい塩焼きを作る手順についてご紹介します。

  • <材料>
  • 鯖 半身
  • 天塩 適量
  • 熱湯 適量


<手順>
1.鯖を半分に切り、それぞれの皮目に切り込みを入れる。


2.全体に天塩を振り、20分置く。


3.2.に熱湯を回しかけ、キッチンペーパーで水分を取り除く。
4.焼く直前にまた天塩を振りかけ、グリルで焼く。

ぶりの臭み取り


ぶりの臭みをとるには、以下の手順で行います。


1.両面にまんべんなく塩をふり、しばらく置く。



2.20分くらい置くと余分な水分が出てくるため、ペーパータオルで軽くおさえるように拭き取る。

牡蠣の汚れ取り


牡蠣の汚れ取りにも塩が使えます。


1.牡蠣をボウルに入れ、多めの塩を振る。


2.広げた指で全体をかき混ぜるようにしながら、優しく洗う。


3.たっぷりの水を注ぎ、汚れた塩を洗い流す。
4.2〜3を数回繰り返し、最後に真水で塩をきれいに洗い流す。

まとめ

塩は調味料として味つけに使われるほか、下ごしらえとして臭み取りやぬめり取り、色落ち防止などに使われることもあります。料理の際に塩を使って一手間かけると、臭みがなくなったり砂が抜けたり、身が引き締まったりして美味しく食べられるようになるのです。ぜひ、天塩を使って一手間加えてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

野中香映
野中香映

「にがり普及委員会」でにがり・マグネシウムの健康情報を発信しています。グルメツアーで各地の塩やにがりを研究中。ライフワークは、「マグネシウム」というミネラルをカルシウムと同じくらいの知名度にすること。

Instagram:@shiny_salt

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