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バスソルトで元気に美しく!塩を上手に使って肌悩み解決やリフレッシュしよう

バスタイムは、浴槽にお湯を張ってゆっくり浸かるだけでも1日の疲れを解せますが、塩を活用するとさらに効果的になるのをご存知でしょうか。しかも、使う塩にこだわれば代謝アップでダイエットサポート効果や、美肌効果なども期待できます。今回は、塩で代謝アップできる理由と、おうちでできる簡単なやり方をご紹介しましょう。

塩が美容や健康に効果的なのはなぜ?

なぜ塩が美容や健康に効果的なのか、ご存じですか?その理由を、タラソテラピーという理論の面から解説します。

100年以上の歴史を持つ、タラソテラピーという考え方

タラソテラピーとは、海洋性気候のもとで海水・海藻・海泥を用いて行う自然療法のことを指します。もともとはフランスの生理生物学者ルネ・カントン氏の研究から生まれた理論で、海水を使った治療法として確立され、1907年には最初の海洋診療所がパリに開かれました。

タラソテラピーは循環器系、気管支系、神経系、リンパ系の疾病、皮膚病などの疾病をはじめ、栄養不良や老化などの予防にも役立つとして、世界各国で愛用されてきました。日本でも、平安時代の頃から海水に浸かる治療法が行われてきた歴史があります。では、なぜ海水につかると身体に良いのでしょうか。

私たちの身体の中には海がある

太古の昔、地球最初の生命は海水の中で生まれました。やがて進化していくうち、体内に海水を閉じ込めることに成功して陸上で生活できるようになりましたが、やはり今でも私たちの体内には、約1%の濃度で塩分が含まれています。

この塩分濃度は太古の海の濃度とほぼ同じと言われ、それによって細胞が正常に働いています。さらに、お母さんのお腹の中で赤ちゃんが育つ羊水の濃度や組成も、この太古の海水とほぼ同じと言われています。このように、私たちの生命や健康は海と切り離せないのです。海水を利用したタラソテラピーが私たちの健康や美容に役立つのも、納得ですね。

自宅でタラソテラピー「おうちタラソ」でリフレッシュ&リチャージ

タラソテラピーが美容と健康に役立つとわかっても、なかなか海までは簡単に出かけられません。そこで、海の結晶である天然塩を活用すれば、自宅で手軽にこのタラソテラピーを体験できます。

美容にはマグネシウムが大事!

塩にはナトリウムをはじめ、マグネシウムやカリウムなどのミネラルが含まれていますが、特に美容面ではマグネシウムが重要です。マグネシウムはセラミドの生成を助けてくれるほか、皮膚のたんぱく質と結合して被膜を作るため、お風呂に入れると保湿をしてくれるうえ、湯冷めしにくくなる効果が見込めます。

また、マグネシウムはお湯に入れると水分子クラスターを小さくしてくれるので、お湯の刺激が弱くなって柔らかいお湯になるなど、まさに「良いことずくめ」のミネラルと言えるでしょう。

バスソルトを効果的に使うには

塩を湯船に入れることで身体に熱が伝わりやすくなり、発汗を促してくれます。身体が芯から温まると筋肉が緩み、肩こり解消や疲労回復、むくみ改善などの効果が期待でき、結果として安眠に導かれるでしょう。さらには、以下のようなポイントをつかむと、バスソルトをより効果的に使えます。肌への効果も期待するなら、マグネシウムの多い塩を使いましょう。

<塩浴する時のポイント>

  • ▼入浴前
  • ・肌に傷がないか確認する(傷があるとしみるため)
  • ・肌が弱い人は事前にパッチテストを行う
  • ・お湯を38℃~40℃に温め、浴室を温めておく
  • ・湯船(約200リットル)に塩を70gほど入れ、溶かす
  • ・常温の水で水分補給しておく
  • ▼入浴中
  • ・塩を入れた浴槽に10分ほど浸かったら、一度あがって身体を洗う
  • ・ふたたび10分ほどお湯に浸かる
  • ▼入浴後
  • ・追い炊きNG(風呂釜を傷めます)
  • ・湯船や排水溝をしっかり真水で洗い流す
  • ・常温の水で水分補給する
  • ・化粧水やボディクリームでスキンケアをする

手作りバスソルトで自分だけのリラックスタイムを

バスソルトは塩だけでも良いですし、お好みのアロマオイルなどを加えて自分だけのオリジナルバスソルトを作るのもおすすめです。リラックスタイムには香りも重要な要素ですから、ぜひ自分好みのバスソルトづくりに挑戦してみてください。

  •  <バスソルトレシピ>(1回分)
  • ・天然塩…70g
  • ・エッセンシャルオイル(食用グレード)…3~4滴
  • *お好みでエディブルフラワーやフレッシュハーブを入れるのもおすすめ

材料すべてを容器に入れ、よく混ぜたらできあがりです。多めに作る時は、余った分は密閉容器に入れて保存してください。お風呂に入った後は、ハーブなどを全てすくい取ってからお湯を流しましょう。最後に、浴槽と排水溝をしっかり洗って塩を洗い流すのも忘れずに!

マッサージソルトでお肌つるつる

塩はバスソルトとしてだけではなく、マッサージソルトとしても使えます。塩の結晶が古い角質を除去するのにちょうどよい硬さなので、くすみをとって肌のトーンをアップしてくれるのです。よく粗塩でゴシゴシ擦ってしまう人がいますが、これは肌を傷つけて色素沈着の原因になってしまうので、下記のポイントを守って美肌を目指しましょう。もちろんこちらも、マグネシウムが多い塩を使うとより効果が期待できます。

  • <マッサージソルトでマッサージする時のポイント>
  • ・できるだけ粒の細かい塩を使う
  • ・お湯などで溶かし、ペースト状にしてから使う
  • ・マグネシウムの多い塩なら、保湿効果も期待できる
  • ・週に1回が目安
  • ・ゴシゴシこすらず、触れる程度でOK
  • ・実施後は、化粧水などでスキンケアを行う

頭皮のケアにも塩が活躍

毎日頭を洗っているのに、なんだか頭皮がベタベタしたりカサカサしたり調子が悪い、というときも塩が役立つかもしれません。塩で頭皮をマッサージすることで、毛穴に詰まった汚れや脂を吸い出せますので、頭がすっきり軽くなります。

  • <塩シャンプーのやり方>
  • よくお湯洗いしたあと、ひとつかみの塩を頭に乗せ、指の腹で2~3分間マッサージする。指が水をはじくようになったら、よく洗い流す。
  • <塩シャンプーをする時のポイント>
  • *最初は連続3日実施する
  • *1~2週間で変化が見られる
  • *塩シャンプーをした日は、ほかの洗髪料を使用しない
  • *髪のごわつきが気になる場合は、ごくごく薄めたお酢で髪の毛だけパッティングする

マグネシウムの宝庫「エプソムソルト」や「にがり」を上手に使おう

マグネシウムが多い天然塩が身近にないという方や、もっとマグネシウムリッチにしたいという方には、「エプソムソルト」や「にがり」がおすすめです。どちらもマグネシウムが豊富に含まれているので、いつも使っている塩にプラスして使用するとよいでしょう。

▼エプソムソルト
硫酸マグネシウムの結晶のことです。見た目が塩のように見えるので「ソルト」と名前がついていますが、ナトリウムは含みません。

▼にがり
海水から塩を採取したあとに残るミネラルの濃縮液のことで、マグネシウムを多く含みます。マグネシウムリッチな塩が手元にない場合は、塩とあわせて浴槽(200リットル)に対して100ml程度のにがりを入れるのがおすすめです。

マグネシウムで内側から綺麗になろう!

バスタイムをより充実したものにしてくれる塩やマグネシウムは、インナービューティーにも役立つことがわかっています。まず、塩の主成分であるナトリウムは体温を上げる働きがあり、免疫力アップにつながります。また、マグネシウムは約300種類の酵素の補酵素として働きますが、中でも代謝に深く関わっているので、マグネシウムが不足すると代謝機能が衰えてしまうのです。

さらに、マグネシウムは水分を集める働きもするので、しっかり補給すると便秘解消にも役立ちます。現代人に不足しがちなミネラルでもあるので、マグネシウムを多く含む塩を使うようにしたり、にがりを活用したりして、日頃からマグネシウムを意識的に補給しましょう。

  • <マグネシウム補給におすすめの方法>
  • ・コーヒーや水に、にがりを2~3滴入れる
  • ・ごはんを炊くとき、3合分に対して10~15mlのにがりを加える

にがりは名前の通り、原液をそのまま混ぜると苦いものですが、上記のような量と混ぜ方なら味を損なうことなく上手に摂取できます。ごはんに使うとふっくら、つやつやに炊き上がりますので、ぜひ一度試してみてください。

まとめ

塩やマグネシウム(にがり)は美容や健康に役立つ成分であり、わたしたちの身体にとって欠かせないものです。塩はバスソルトやマッサージソルトの他、頭皮ケアにも使えますし、マグネシウムを摂取すれば便秘解消にも役立ちます。これらの成分を上手に使って、快適な生活を送りましょう。

監修者プロフィール

青山志穂一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会 代表理事
青山志穂一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会 代表理事

慶應義塾大学卒業後、大手食品メーカーにて商品開発に従事したのち、沖縄県に移住し、塩の専門店に入社。
事業拡大や商品開発、日本初となる塩に関する社内資格制度の立ち上げの責任者を務める。
塩の正しい知識と魅力の啓蒙を目的として、2012年に独立し、同協会を設立。「ソルトコーディネーター」資格制度を立ち上げる。
メディア出演やセミナー、レストランシェフとのコラボレーションなど、多岐にわたり塩の魅力を伝える活動を行う。
所有する塩は1800種類を超え、訪れた製塩所は延べ200カ所を超える。代表著書に「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など。
青山志穂オフィシャルサイト https://shiho-aoyama.com/
日本ソルトコーディネーター協会 https://saltcoordinator.jp/

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