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【医師監修】熱中症は屋内でも起こる!おうち熱中症対策をご紹介します

毎年夏になると、大きく問題になる熱中症。どうしても屋外で起こるイメージが強いですが、熱中症は屋内でも起こっています。特に、熱中症の約半数は屋内で起こるという調査結果も報告されていますので、決して油断してはいけません。外出自粛による巣ごもり、テレワーク、休校など、屋内で過ごす時間が増えている今年は、特に「おうち熱中症」に注意しましょう。

熱中症は屋内が約5割

熱中症とは、高温環境下で体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温調整機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態のことです。救急に搬送される人は例年約5万人ですが、近年はさらに増加傾向にあります。

この救急搬送人数を発生場所別に分けると、住居などの屋内で熱中症にかかった「おうち熱中症」の人は47%と約半数近くにものぼり、「おうち熱中症」は決して軽視できない数だとわかります。

「おうち熱中症」はなぜ起こる?

人間は発汗以外にも皮膚呼吸や呼気から水分を失っていて、これを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と言います。つまり、意識しなくても水分は身体から失われているため、定期的な水分補給が必要なのです。

「おうち熱中症」になりやすいのは「浴室・トイレ・2階以上の日当たりが良いところ」など、熱や湿気がたまりやすい水回りで、周囲の湿気からつい水分補給を忘れてしまいがちです。入浴や睡眠中は特に意識しなくても大量の水分が汗として失われるため、脱水に注意しなくてはなりません。

今年は「巣ごもり明け熱中症」に注意!

例年、熱中症は梅雨入り前の5月頃から発生し、梅雨明けの7月中旬から8月上旬に多発する傾向にあります。「暑くなりはじめ」「急に暑くなる日」「熱帯夜の翌日」などがキーワードのため、これらのワードがニュースで流れたら注意しましょう。

今年はさらに外出自粛やテレワーク、休校などでずっと屋内で快適に過ごしていて、身体が暑さに慣れていない状態ですから、夏ごろに巣ごもり明けで社会活動が再開されると、一気に「巣ごもり明け熱中症」が多発すると予想されます。

熱中症は高温環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻したりすることで起こるため、上手に汗をかくために「暑さへの慣れ」が必要です。

高齢者は熱中症にかかりやすい?

2019年、熱中症の発生年齢区分を見ると高齢者が約5割、子どもが約1割と報告されています。高齢者が熱中症にかかりやすいのは、以下のような理由が考えられます。

  • ・暑さや喉の乾きを感じにくくなっている
  • ・体温調節機能が鈍っている
  • ・発汗量や皮膚血流量の増加が遅れる、減少する
  • ・体内の水分量が減る

「おうち熱中症」「巣ごもり明け熱中症」に負けない身体をつくろう

今年は特に「おうち熱中症」「巣ごもり明け熱中症」に注意が必要だとわかりました。そこで、熱中症に負けない身体づくりと水分補給の2つの対策をご紹介します。

身体を暑さに慣れさせよう

通常、暑い日が続くと体がしだいに暑さに慣れて(暑熱順化)暑さに強くなっていき、やがて本格的な夏にも身体が耐えられるようになります。この慣れは発汗量や皮膚血流量の増加、汗に含まれる塩分濃度の低下、血液量の増加、心拍数の減少などとして現れますので、まずは巣ごもりで暑さに慣れていない身体を暑さに慣らし、本格的な夏に備えましょう。

暑熱順化を起こすには、以下のような対処が効果的です。

  • ・「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)を続ける
  • ・入浴(40~41℃で10~15分程度)
  • ・冷房の温度設定を高めにする
  • ・20℃以上の室内で衣服を調整して暑さに慣らす

実験的には、これらの数日後から「暑熱順化」が起こり、2週間程度で完成できるとされています。そのため、日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけている人は暑熱順化が起こりやすいため、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなると言えるでしょう。

水分と塩分だけじゃない!医師が薦める水分補給方法とは?

熱中症を予防するには、こまめな水分・塩分補給はもちろん、ミネラルを摂取することが重要です。厚生労働省・環境省は熱中症予防として塩分濃度0.1~0.2%程度の水分摂取を推奨していますが、暑さが本格化する前、汗の量が少ない時期には特に「マグネシウム・カルシウム・カリウム」などのミネラルが多く排出されてしまいます。塩分だけでなくミネラルを意識して摂取しましょう。

例えば、ミネラルを含む飲料やお茶を飲むことで、水分と塩分・ミネラルをバランスよく摂取できます。とはいえ、糖分を多く含むスポーツドリンクは糖尿病や肥満リスクがあるため、カロリーの心配がない飲料がおすすめです。

運動量の多い子どもなどはスポーツドリンクなどでも構いませんが、運動量の少ない人は、スポーツドリンクよりもカロリーゼロの熱中症対策飲料やお茶などを摂取しましょう。また、ミネラルを含む飲料を一度に多量に摂取しても尿で排出されてしまうので、継続的に少しずつ飲む「点滴飲み」がより効果的です。

まとめ

今年はコロナウイルス対策による巣ごもりなどの影響による「おうち熱中症」や「巣ごもり明け熱中症」が多いと予想されます。本格的な夏に向けて身体を暑さに慣らす「暑熱順化」を行うとともに、ミネラルを含む飲料の「点滴飲み」を心がけましょう。

監修者プロフィール

野崎 豊
野崎 豊

ノザキクリニック院長(兵庫県加古川市)。日本小児学会専門医/認定産業医/日本体育協会公認スポーツドクター/日本東洋医学会 名誉会員/漢方専門医/臨床内科医会専門医。

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