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薬膳でおいしく食べて健康美ダイエット【管理栄養士監修】

体調を崩したり、無理な食事制限の結果、リバウンドしてしまうようなダイエットは、けして健康的とは言えません。薬膳では、まず自分の体質を知ることから始めます。さっそく次の体質チェックリストで、太りやすい原因・痩せない原因を把握しましょう。

薬膳メニュー

無理な食事制限やきつい運動など、短期間で効果を出すダイエットは、ストレスが溜まりがちです。体調を崩したり、挫折してリバウンドしたりなど、そんなダイエットは決して健康的とは言えません。

薬膳では、まず自分の体質(太る原因・痩せない原因)を知ることから始めます。自分の体質や、その日の体調に合った食材を選ぶ力をつけ、体質改善をしながら健康な身体へと導いていきます。

サイズや体重を減らすことだけでなく、自分に合った方法で自分らしい健康的な美しさを目指しましょう。

1.自分の体質を知る<体質チェック>

下記のA、B、Cそれぞれの質問に答え、合計点を出してください。A〜Cのどの合計点がいちばん高いかで、あなたの体質がわかります。

ある……2点
時々ある……1点
ない……0点

【A】

1.頭や身体が重だるく熱がこもりやすい

2.口の中が粘る

3.暑がりで冬よりも夏の方が苦手だ

4.吹き出物ができやすい

5.便がベタついてすっきり出ない。残便感がある

6.食欲旺盛でつい食べてしまう

7.肉、揚げ物、辛いもののいずれかが好きでよく食べる

8.お酒が好きでよく飲む方だ

【B】
1.いつも元気がなく、なんとなく疲れやすい

2.身体がだるくて、すぐに座ったり横になりたい

3.たくさん食べていないのに太ってしまう気がする

4.身体がむくみやすい

5.便がゆるい方だ

6.舌の両脇に歯形がついている

7.体脂肪率が高く、脂肪がつくと落ちにくい

8.甘いものが好きで、ついたくさん食べてしまう

【C】

1.肌がくすんでいてシミも多い

2.月経前に乳房が張って痛い。月経痛がひどい方だ

3.足の静脈が浮き出ている。または下肢静脈瘤がある

4.ストレスを感じやすく、イライラすることが多い

5.真面目で周囲にあわせているが、じつはとても我慢している

6.唇、舌、歯ぐきの色が、やや暗い感じ

7.おなかが張りやすく、げっぷまたはおならが出る

8.普段から便秘気味で、忙しいとさらに出にくくなる

ある……2点
時々ある……1点
ない……0点

【結果】
Aの合計点が高い方は……湿熱(しつねつ)タイプ
Bの合計点が高い方は……脾虚痰湿(ひきょたんしつ)タイプ
Cの合計点が高い方は……気滞血瘀(きたいけつお)タイプ

2.体質の説明と食養生

A.湿熱(しつねつ)タイプ

湿熱タイプの女性

<体質>

湿(余分な水)と熱が過剰な方です。肌のキメが粗く、吹き出物ができやすくなります。口の中が粘る、便がすっきり出ない、などの症状が現れます。蒸し暑い夏が苦手で冷房を好みます。

<おすすめの食べ物>

ソバ、はと麦、小豆、緑豆、苦瓜、胡瓜、冬瓜、海藻類、レタス、セロリ、ナス、ごぼう、こんにゃくなど

<避けたほうがよいもの>

辛いもの、脂っこいもの、味の濃いもの、アルコールの飲み過ぎ、水分の摂り過ぎ

湿熱タイプの方へのおすすめ薬膳ダイエットメニュー

このタイプの方は、身体の中に余分な湿(水)と熱があります。原因としては、辛いもの、脂っこいもの、味の濃いものを好んだり、アルコールの飲み過ぎなどによって脾(ひ)(中医学では消化器系全般をいう)の働きが少しずつ低下し、加齢とともに余分な水が溜まりやすく、また熱がこもりやすい体質になっています。余分な湿や熱を取る働きの食物(上記「湿熱タイプ」のおすすめの食べ物)を摂るようにしましょう。

「小豆と麦のデトックスごはん」小豆と麦のデトックスご飯

小豆や麦には余分な湿や熱を取る働きがあります。ご飯の中に入れて一緒に炊くことで、白米の食べ過ぎも防ぎ、無理なくダイエットすることができます。

【材料(4人分)】

小豆と麦のデトックスご飯の材料

米・・・2合
小豆(乾物)・・・30g
はと麦またはもち麦・・・大さじ2

◎調味料
塩・・・小さじ1
酒・・・大さじ1

<作り方>

① 米を研いでザルに上げておく

② 小豆は洗って300ccの水と共に火にかける

③ 沸騰したら、冷水を50cc入れて再度沸騰させ、弱火にして10分程茹でる

④ ③をザルに上げ、ゆで汁は水を足して米を炊く水量(約430cc)に調整する

⑤ 炊飯器に米、④、調味料を入れてひと混ぜし、上に小豆と麦を入れて炊飯器で炊く

B.脾虚痰湿(ひきょたんしつ)タイプ

脾虚痰湿の女性

<体質>

消化器系のパワーが足りないため、いらない水が溜まりやすくなっています。食欲がない、もしくは食べ過ぎるともたれやすい、元気がない、疲れやすく疲れが取れにくい、倦怠感、なかなかやる気が起きない、むくみやすく脂肪がつきやすい、セルライトがある、などがみられます。

<おすすめの食べ物>

うるち米、もち米、ひえ、はと麦、甘酒、山芋、豆類(よく噛んで)、とうもろこし、しいたけ、まいたけ、鶏肉、いわし、じゃが芋、キャベツ、にんじん、はちみつ、なつめ、生姜、葱、にんにく、紫蘇、香味野菜など

<避けた方がよいもの>

甘いもの、脂っこいもの、味の濃いもの、冷たいもの、消化の悪いもの、水分の摂り過ぎ

脾虚痰湿タイプの方へのおすすめ薬膳ダイエットメニュー

このタイプの方は、もともと消化器系(脾)の働きが弱く、いらない水が溜まりやすくなっています。いらない水はむくみとなり、むくみを放っておくと後に脂肪として身体についていきます。脾の働きを健やかにする食材(上記「脾虚痰湿タイプ」のおすすめの食べ物)を摂り、身体を温め、いらない水の代謝を良くするようにしましょう。

「薬膳ダイエットきのこスープ」薬膳ダイエットきのこスープ

脾の働きを高める鶏肉、なつめ、生姜、にんにく、葱などをじっくり煮込んだスープに、デトックスの働きを持つきのこ類をたっぷり入れて、元気もしっかり補えるダイエットスープです。

【材料(作りやすい分量)】

薬膳ダイエットきのこスープの材料

鶏もも肉(あれば骨付き)・・・1本
鶏むね肉・・・1枚
にんにく・・・1かけ
生姜・・・1かけ
長葱の青い部分・・・1本分
だし昆布・・・10g
なつめ・・・4個
枸杞(クコ)・・・大さじ1
椎茸・・・1パック
えのき茸・・・小1袋(100g)
舞茸・・・1パック(100g)
しめじ・・・1パック(100g)
万能葱・・・適量

◎調味料
酒・・・大さじ2
みりん・・・小さじ1
しょうゆ・・・小さじ1
塩・・・小さじ1/2
こしょう・・・少々

<作り方>

① にんにくは縦に2つ割、生姜はスライスする。鶏肉は余分な皮と脂肪を取って水で洗う。

② 鍋に、鶏肉、にんにく、生姜、だし昆布、長葱の青い部分、水1.5リットルを入れて火にかけ、沸騰したら火を弱め、丁寧にアクを取る。

③ アクが出なくなったら酒、なつめ、枸杞(クコ)を加え、弱火にして1時間程煮る。(途中、水が少なくなったら足す。)

④ 枸杞(クコ)以外の具材は取り出し、食べやすい大きさに切ったきのこを入れて10分程煮る。

⑤ 鶏肉は骨を外して食べやすい大きさに切り、④の鍋に戻す。

⑥ 調味して器に盛り、万能葱をたっぷり散らして頂く。

C.気滞血瘀(きたいけつお)タイプ

気滞血瘀タイプの女性

<体質>

気と血の流れが悪い方です。精神的ストレスが多く、自律神経が乱れがちになります。怒りっぽい、イライラする、憂鬱な気分になる、落ち込みやすいなど情緒不安定になります。お腹がはる、ゲップやため息が出る、クマやシミ、ソバカスが多く、肩コリや頭痛、月経痛などがみられます。婦人科系の疾患や動脈硬化、下肢静脈溜などにも注意が必要です。

<おすすめの食べ物>

青魚、生姜、葱、玉葱、にんにく、らっきょう、ニラ、キクラゲ、黒砂糖、黒豆、適量の酢、紫蘇、セロリ、春菊、ニラ、ピーマン、大根、ミント、小松菜、青梗菜、柑橘系の果物など

<避けた方がよいもの>

魚卵、バター、生クリームなど高脂肪、高コレステロールのものの食べ過ぎ、喫煙

気滞血瘀タイプの方へのおすすめ薬膳ダイエットメニュー

このタイプの方は気や血の流れが悪くなり、血がドロドロしている状態です。ストレスを受けやすい性質、ストレスの多い環境などで、気の巡りは悪くなります。気の巡りが悪くなると、気と一緒に体内を巡っている血の流れも悪くなり、ドロドロ血(瘀血)になってしまいます。もしくは、高脂肪、高コレステロールを好む食習慣によりドロドロ血になってしまう場合もあります。気や血の巡りを良くし、ドロドロ血を解消する食物(上記「気滞血瘀タイプ」のおすすめの食べ物)を摂るようにしましょう。

「巡り改善ピクルス」巡り改善ピクルス

巡りを良くする大根、パプリカ、セロリ、にんにく、酢などを使ったピクルスを、毎回の食事に入れることで、少しずつドロドロ血を解消していきましょう。

【材料(作りやすい量)】

ピクルス材料

パプリカ(赤・黄)・・・各1/2個
大根・・・4cm長さの輪切り
にんじん・・・1/3本
きゅうり・・・1本
セロリ・・・1/2本

◎ピクルス液
水・・・100cc
酢・・・50cc
塩・・・小さじ1
きび砂糖・・・大さじ2
昆布・・・1cm長さ×5~6枚
にんにく・・・1かけ(スライス)
輪切り唐辛子・・・適量
ベイリーフ・・・1枚

<作り方>

① 野菜は4~5cm長さのスティック状に切って、ガラスまたはホーローの容器に入れる。

② 鍋にピクルス液の材料を全て入れて火にかけ、一度沸騰させ、熱いうちに①にかけてなじませる。

③ 冷めたら冷蔵庫で保管する。

©️健康ごはん塾

監修者プロフィール

ちゅうがんじみゆき管理栄養士、中医薬膳営養師
ちゅうがんじみゆき管理栄養士、中医薬膳営養師

健康ごはん塾主宰、食育インストラクター1級、スパイスクッキングアドバイザー、はまふぅどコンシェルジュ、介護職員初任者研修課程修了。自身や家族の体調不良をきっかけに“食と健康”について深く考えるようになり、薬膳を学ぶ。季節や環境、食べる人の体質・体調に合わせたオーダーメイドの健康食である薬膳の魅力にはまり研究を続ける。現代栄養学と薬膳学の両方の考え方を組み合わせた、身近な食材を使った和食の家庭薬膳を得意とする。

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