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ランニングは朝にするのがいい!?健康に効果的な朝ランのススメ

健康のためにも、ダイエットのためにも手軽な有酸素運動としておすすめなランニング。いつ行うのが良いのかについては諸説ありますが、忙しい人には朝食前の「朝ランニング」がおすすめです。この記事では、朝ランニングがおすすめな2つの理由とその根拠、朝ランニングを行う際の注意点についてまとめました。朝ランニングに興味があるなら、ぜひチェックしてくださいね。

忙しい人こそ朝ランニングがおすすめ

仕事が忙しく、日中や夜間などに思うように時間の取れない人にとって、朝は運動を行うとてもよい機会です。仕事の後だと疲れていて気が進まず、運動を行うとかえって疲労が増してしまうかもしれません。その点、睡眠をしっかりとって心身ともにリフレッシュした状態で迎える朝は、ランニングのような有酸素運動を行うのにおすすめです。

長く続くコロナ禍の中、ランニングを始めた人も多いようですが、仕事や家事の後の夜間走るよりも朝のほうが安全です。早朝の公園や通りは人も少なく安心ですし、暑い季節では、比較的涼しい朝に走る方が熱中症のリスクも少ないでしょう。

熱中症予防にも、安全のためにも、朝ランニングがおすすめです!

朝ランニングがおすすめな2つの理由


朝ランニングがおすすめな理由は、身体面から見ても2つのことが挙げられます。

朝ランニングは脂肪燃焼におすすめ!

朝ランニングは、脂肪燃焼に向いています。

早朝から目覚めの時間にかけて、コルチゾールというホルモンの血中濃度が高まります。コルチゾールはその後、日中から夜にかけて濃度が徐々に低下していくホルモンです。コルチゾールは抗ストレスホルモンとして知られていますが、血糖値を高めたり、脂肪分解を促したりする働きがあります。つまり、朝ランニング中の脂肪燃焼をサポートしてくれるかもしれません。

ただし、最初はいつもの時間より早めに目覚めるので、目覚めまでにコルチゾールが上がりきらず、血糖値が低い状態からスタートすることになります。血糖値が低いと速いペースで走ったり、長距離を走ったりするのは厳しいので、注意しましょう

しかし、ゆっくりしたペースで毎日続けていれば、脂肪を効率よく使いながら走れるようになっていきます。さらに、身体も朝ランニングの時間に合わせて目覚めるリズムになるため、コルチゾールの分泌リズムも合ってくるのです。

こうして、徐々に脂肪燃焼に適した状態での朝ランが可能な身体が作られます。

有酸素運動は、時間帯の影響を受けにくい

一般的に、朝は日中や夕方の時間帯と比較して、筋力や瞬発力などが低い傾向にあります。これは概日リズム(いわゆる「体内時計」)が影響するからです。

ランニングのような有酸素運動は時間帯や日内変動の影響を受けにくいとされていますが、ジャンプやスプリントといった瞬発系の運動や、筋力トレーニングのような無酸素系の運動は、日内変動の影響を受けやすいとされています。また、これらの運動は心臓循環系への負担も大きいため、早朝に行うのは避けた方が良いかもしれません。

有酸素トレーニングの効果も午前中より午後のほうが高いとされていますが、早朝や午前中に継続的にトレーニングを行っていくと、やがては午後と同等のトレーニング効果を得られるようになっていきます

概日リズムは体温(深部体温)に大きく影響します。体温が比較的低い早朝では、ウォームアップ(準備運動)を十分に行い、軽いゆっくりとしたペースから始めて体温を少しずつ高めていくことが大切です。特に、寒い季節には筋肉が縮こまっているので、しっかり準備運動をしてから始めましょう。

目覚めがすっきりしてくれば、エネルギー代謝も高まり、筋肉や関節周りの組織の柔軟性も高まって体の動きがよくなります。すると、早朝でも時間帯や日内変動による運動への影響を受けにくくなっていくのです。

朝ランニングの注意点


身体の面から見てもおすすめな朝ランニングですが、注意点もあります。以下の3つのポイントをよく心がけましょう。

朝ランには「慣れ」が重要!

朝ランを始めるにあたっては、ある程度の「慣れ」が必要です。いきなり初日からがんばろうと思っても力が出ませんし、疲れすぎてしまうと、継続する意欲にも影響が出るかもしれません。

また、遺伝子で決まるクロノタイプ(朝型か夜型か)に関連して、そもそも朝が苦手なタイプの人もいます。ただし、クロノタイプは生活環境によって変えることもできますので、心身ともに、少しずつ慣らしながら取り組むようにしましょう。

朝ランの前には、睡眠時間を十分にとろう

朝ランを行うときは、睡眠時間に注意しましょう。早朝にトレーニングを行う人は、どうしても睡眠時間が短くなりがちです。睡眠不足のまま走ると、運動後の疲労度が高くなります。朝ランを行う前日の夜は、早めに眠るようにしましょう

一方で、睡眠から目覚めた直後は交感神経活動が徐々に活発になり、全身の循環が高まって血圧も上昇します。心筋梗塞や心臓突然死が午前中に多いのは、この「早朝の交感神経活動の活性化による血圧の上昇」と関連があるようです。睡眠不足や疲労の残る朝は、走るペースや時間を控えめにするか、翌日に延期しましょう。

「脂肪燃焼におすすめ」の章でもご紹介したように、コルチゾールは目覚めから血中濃度を高めて体のスイッチをオンにしてくれるホルモンの一つですが、同時に心臓循環系の働きを活性化して血圧を高めるホルモンでもあります。普段から血圧が気になる人は、要注意です

極度の空腹や水分不足に要注意!

コルチゾールは血糖値を高めるため、筋肉のたんぱく質を分解してしまうこともあります。空腹状態で走る場合、ペースを抑えるなど注意が必要です。走る前にひと口、糖質補給を行っておくか、朝ランの前日は食事をしっかり摂っておき、体内の「糖質貯蔵庫」をいっぱいにしておくと良いでしょう

また、早朝でも朝から暑く発汗量が多くなる日は、水分補給に加え、ナトリウムなどのミネラル補給にも気をつけたいところです。特に、夏は無意識に水分不足になりがち。水分やミネラルの補給をしっかり忘れずに行いましょう。

朝ランは、注意点を守って安全に行いましょう!

まとめ

仕事が忙しい人ほど、目覚めてすぐで身体が元気なときの朝ランがおすすめです。朝ランは脂肪燃焼におすすめな上、有酸素運動は時間帯の影響を受けにくいので朝にやってもOK。朝ランに挑戦するときは、睡眠時間や空腹・睡眠不足などに注意し、心身を徐々に慣らしながら行いましょう。

監修者プロフィール

彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長
彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長

スポーツ栄養学の観点からも、運動やスポーツにおけるマグネシウムの働きには注目すべきところが多くあります。にがりを水や飲料に薄めて使用することで、スポーツや運動を楽しむ方が日常から手軽に海からの自然なマグネシウムを摂取することができます。

【プロフィール】
オレゴン州立大学健康人間科学研究科博士課程修了。博士(Ph.D.)。NPO法人チャレンジ・アスリート・ファンデーション理事長。横浜市病院協会看護専門学校非常勤講師。
専門は運動生理学・栄養学・トレーニング学。トライアスロン歴32年。

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