TOP > ヘルスケア > ダイエットにお茶が効くって本当!?緑茶に含まれるカテキンの効果とは
ヘルスケア/health care

ダイエットにお茶が効くって本当!?緑茶に含まれるカテキンの効果とは

ダイエット食品や飲料はさまざまなものが市販されていますが、中でもダイエットをサポートしてくれる飲料として「お茶」の持つ効果がよく注目されます。今回は、特にダイエットサポートに効果的とされる「緑茶」に多く含まれる「カテキン」という成分を中心に、ダイエットにどのような効果が期待できるか見ていきましょう。

ダイエットには「カテキン」が有効!

カテキンはなぜ、ダイエットに効果的なのでしょうか。まずは、カテキンについて解説します。

カテキンとは?

お茶には、健康に有効な成分が含まれていることが知られていますが、その成分の一つに「カテキン」があります。カテキンはポリフェノールの1種で、緑茶の渋みの主成分です。昔から「タンニン」と呼ばれてきました。

特に不発酵茶である「緑茶」には、紅茶やプーアル茶などの発酵茶、ウーロン茶などの半発酵茶と比較して、より多くのカテキンが含まれることがわかっています。カテキンは本来、非常に酸化しやすい物質なのですが、緑茶の場合は製造する過程で酸化酵素の働きが抑えられるので、ほとんど酸化しません。

カテキンで本当に痩せるの?

これまでの研究では、カテキンのダイエットサポート効果について以下のようなことがわかっています。

  • 12週間のカテキンの摂取(580-690mg)が、体重や体脂肪量・腹囲・内臓脂肪、LDLコレステロールを減少させた(Nagaoら、2005年、2007年)
  • メタボリック症候群の肥満者が緑茶(4杯/日)の摂取を8週間続けることで、体重・体格指数(BMI)、LDLコレステロールを改善した(Basuら、2010年)
  • 2日間だけのカテキンの摂取(300mg/日)でも、食後の脂肪消費を促進させた(BoschmannとThielecke、2007年)

さらに、最近の研究では、12週間のカテキン(540-588 mg)含有飲料の摂取により、腹部の総脂肪面積・内臓脂肪面積・皮下脂肪面積、体重・腹囲が減少し、メタボリック症候群の状態が改善されたことが報告されています(Hibiら、2018年)。

他にも、カテキンを食事とともに摂取すると脂質やコレステロールの吸収を穏やかにするとも言われています。カテキンは悪玉(LDL)コレステロールだけを減らし、身体に必要な善玉(HDL)コレステロールは減らしませんので、健康を保つために必要なコレステロールまで減らしてしまうわけではありません。

このように、カテキンは体重や体脂肪量、体格指数(BMI)を減らしたり、食後の脂肪消費を促したりしてダイエットのサポートにつながるほか、LDLコレステロールを減らしたり、内臓脂肪面積や皮下脂肪面積を減らしてメタボリック症候群(メタボリックシンドローム)の予防や改善にもつながることが期待できます。

カテキンで痩せやすい身体になる!

また、カテキンは以下のように、痩せやすい身体をつくるためのサポートにもなることがわかってきています。

  • カテキンの摂取によって、12週間の運動習慣(180分以上/週)による、腹部脂肪や血中中性脂肪の減少効果が高められた(Makiら、2009年)
  • 最近の研究では、3週間の抹茶の摂取にも女性(平均年齢28歳)がウォーキング中(30分間)の脂肪消費効果をさらに高める作用があるとわかった(Willemsら、2020年)

このように、お茶、特にカテキンを多く含む緑茶はダイエット効果のみならず、メタボリック症候群や生活習慣病のリスクを抑えるサポートとなる可能性があります。また、運動習慣を持つ人が緑茶を摂取すると、運動とカテキンの相乗効果も期待できそうです。

緑茶以外のお茶でもダイエットに効果はあるの?

一方で、発酵茶である紅茶やプーアル茶、半発酵茶であるウーロン茶などでは、緑茶と比較してカテキンの含有量は少なくなるものの、お茶の発酵過程でカテキンから生成されるポリフェノール「テアフラビン」が豊富に含まれます。テアフラビンは特に紅茶に多く含まれる赤色成分で、カテキンから作られるため働きもよく似ていて、「抗酸化作用・抗メタボ作用」などがあるとされています。

実際に、ウーロン茶や紅茶に含まれるテアフラビンは、食事から摂った脂質や糖質の消化と吸収を制限することでカロリー摂取を抑え、体重増加を予防する効果が実験から示唆されています(Rothenberg、2018年)。また、テアフラビンには、脂質分解を促進し脂肪合成を抑制する作用もあるようです。ダイエット目的で緑茶を飲むのに飽きたときは、紅茶やウーロン茶、プーアル茶を摂取するのも良いでしょう。

まとめ

お茶にはさまざまな種類があり、それぞれ独特の香りと味わいがあります。同じお茶でも含まれている成分には違いがありますが、いずれの成分にもダイエット効果を期待できることが実験から示されています。ぜひ、ライフスタイルやシーンに合わせ、いろいろなお茶を楽しんでください。

監修者プロフィール

彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長
彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長

スポーツ栄養学の観点からも、運動やスポーツにおけるマグネシウムの働きには注目すべきところが多くあります。にがりを水や飲料に薄めて使用することで、スポーツや運動を楽しむ方が日常から手軽に海からの自然なマグネシウムを摂取することができます。

【プロフィール】
オレゴン州立大学健康人間科学研究科博士課程修了。博士(Ph.D.)。NPO法人チャレンジ・アスリート・ファンデーション理事長。横浜市病院協会看護専門学校非常勤講師。
専門は運動生理学・栄養学・トレーニング学。トライアスロン歴32年。

関連タグ